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ゆすはらスタッフブログ
高山 直人 2014年12月24日
慶應義塾大学 理工学研究科 伊香賀俊治研究室
開放環境科学専攻 修士2年 高山 直人
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 慶應義塾大学修士2年の高山直人と申します。私は平成25年度から伊香賀研究室に所属し、我が国の住宅内で多発している入浴事故や低体温症を背景として、「住まいの温熱環境と体温の関係」をテーマに研究を行っています。例えば梼原町では、住まいの室温の違いによって体温にどういった差が出るかを検証するために、下組モデル住宅と自宅での測定・比較を通した宿泊体験調査について、住民の皆様にご協力していただきました。

 私は大学4年間を本大学の薬学部で過ごしましたが、大学院から伊香賀研究室に配属し、本当に良かったと日々感じています。その大きな理由の一つに梼原町に関わった経験が挙げられます。

 私は薬学を学ぶ中で、疾病の治療より予防する観点が大事であり住環境の改善こそが疾病予防に繋がる、また単一の分野に留まらず多角的な研究を行いたい、と考え大学院では建築系の分野を選択しました。何も知識がない異分野への進学は不安こそありましたが、当時の私はテーマを与えられ受動的に研究していたため、「チャレンジングな環境に身を置き、新しい事に挑戦したい」と強く想った故での決断でした。これまではデスクワークで研究室に籠っていることが多めでしたが、伊香賀研究室に入ってからはフィールドワークにより人と関わり合いながら研究することが基本となりました。その主な舞台が私にとっては梼原町であり、梼原町であったことに今では有難みを実感しています。

 私が梼原町で過ごした期間はわずかながらではありますが、何よりも「人」に魅力を感じました。梼原町は環境モデル都市として、他の市区町村の模範となる持続的な価値提供を実現していくことが求められ、低炭素社会の実現に向けた先進的な取り組みによる社会影響は大変大きいと思います。その活動を積極的に行い、町を創ってきたのはそこに住む人に他ならないと思います。社会にとって価値のあることかどうか最終的に判断するのは人であり、個々人の価値観です。梼原町の方々は、住民ひとりひとりが主体的に町に携わり、町をよくしようと常に考えて活動していることを肌で感じました。自らの住む町の環境に対して深く考えてこなかった私からすると意識の違いを痛感しました。
また、私の研究に対しても積極的に参加していただくことができました。現地での調査やその説明会すべてが初体験であった私に対し、「もっとこうした方がいいのでは」といった住民目線ならではの貴重なご意見を数多くいただけました。このように梼原町の「人」と触れ合う中で多くの気づきを与えられ、そういった方々に囲まれながら研究を行えたことに感謝しています。

 これらは伊香賀研究室に配属、更には梼原町の方々と関わらなかったら経験することはなかったと思います。卒業まで残りわずかな期間ではありますが、お世話になった方々への恩返しとして、少しでも立派な成果を残せるよう日々研究に励みたいと思います。最後となりますが、調査をはじめお世話になった方々に感謝申し上げます。

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